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島根大学教育臨床総合研究

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島根大学教育臨床総合研究 Volume 24
published_at 2025-10

算数科におけるバランス理論を視座とする説得の特徴

Features of Persuasion in Mathematics Education from the Standpoint of Balance Theory
YAMADA Asuka
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教育臨床総合研究_24_p085-098.pdf ( 979 KB )
Descriptions
 本研究では,他者の認識を変容させるうえで認識主体はどのような説得を試みたのか,また認識主体が説得を試みるうえで数学的対象にどのような価値を有していたかを捉えることを試みた.そこで,Heider のバランス理論を視座とし,本研究におけるPOX モデルを定め,インバランス状態からバランス状態に移行した話し合いを抽出し,そこでみられる説得が有すべき特徴について考察した.実験授業でみられた子ども同士の話し合いの分析結果からは,POXモデルにみる3 者関係がインバランス状態からバランス状態に移行する際,説得として,数学的ツールの活用による数学的根拠の明示に向けた試みが確かめられた.また,緊張が続くインバランス状態をバランス状態へと誘う仲介者の説得もみられ,この二点が確認された.
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