本研究は看取り期にある特別養護老人ホーム入所者への食事支援における熟練看護師の看護実践を明らかにすることを目的とし、看取りケアを実施している特養勤務年数5年以上の常勤看護師8名に対し半構造化面接を実施し質的記述的分析を実施した。看取り期にある特養入所者への食事支援における熟練看護師の看護実践として、【好きな食べ物を味わえるように丁寧に把握し続ける】、【食事が摂取できるかどうかその都度見極める】、【食べたいものを食べられるように段取りをつける】、【食べることを継続できるように多職種と連携する】、【施設の日常とは異なるひとときを演出する】、【状態に応じた食事をニーズに沿って提供する】、【好きな味わいを何らかの形で感じてもらう】の7つのカテゴリーが抽出された。そして、入所者の意向に沿いながら食べることを叶えつつも食べる限界を見極める実践が必要であることが示唆された。