本研究の目的は、文献レビューにより、統合失調症の超長期入院患者(10 年以上入院)の退院支援の在り方を検討することである。医学中央雑誌にて、「統合失調症or 精神障害者」、「長期」、「退院支援」のキーワードをandで繋ぎ、原著論文を検索した。46 文献を分析対象とし、退院支援に関する文脈を抽出してコード化し、類似するコードを統合してカテゴリー化した。分析の結果、《入院が当たり前になっている状況から目覚めさせる》《退院への障壁を取り除く》《1つひとつ退院に必要な力をつける》《患者を尊重して歩調を合わせる》《前進できるように力づける》《患者が安心できる退院後の環境を整える》の6カテゴリーが抽出された。本研究により、超長期入院患者が退院したい気持ちを表出したタイミングを逃さないこと、実現可能な退院先を検討すること、退院が現実的になり生じる不安を受け止め、退院を諦めないよう支えることの重要性が示唆された。