本調査は、シチュエーション・ベースド・トレーニングを取り入れた呼吸ケア技術演習における学生の自己評価から演習の成果と課題を明らかにし、より効果的な演習方法を検討することを目的とした。調査内容は、事後課題として課した20 項目の自己評価とした。その結果、９割以上の学生が、事前学習への取り組みやアセスメントとケアの関連性の理解に関するすべての項目で肯定評価をしていた。加えて、９割以上の学生が、演習での実践を通して、自身の課題に気づき振り返る機会となっていた。一方、異常呼吸音の聞き分けやメカニズムの説明、優先度や効率性を踏まえたフィジカルアセスメントの実践は学生の肯定評価の割合が低かった。これらの結果から、学生が演習を受けることにより、アセスメントとケアの関連性についての理解、フィジカルアセスメントに課題があることへの気づきにつながると推察された。一方、既習であるフィジカルアセスメントについて知識や技術の復習を促すサポートが必要であると考えられた。