本研究は、急性期病院および在宅領域における服薬自己管理の支援が必要な高齢者に対する多職種による支援とその課題を明らかにすることを目的とした。山陰地方の急性期病院および在宅領域の医師・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・ケアマネージャー計14 名に半構成的面接を実施し、質的に内容分析を行った。その結果、支援の内容として、情報提供書やカンファレンスで多職種間の情報共有が行われ、看護師と薬剤師が中心となり服薬自己管理支援や指導を行っている等の68コードが抽出された。またその課題として41コードが抽出され、多職種間の連携や専門性を生かした支援が不十分であることを示す5カテゴリに分類された。互いの専門性をリソースとして活用するためには、協働のためのシステムや手段が求められる。服薬自己管理の状況を多職種で共有できるツールの開発や、タイムリーな情報共有のためのシステム構築の必要性が示唆された。