学校教育実践研究

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学校教育実践研究 3
2020-03-30 発行

学びの基礎となる「ことばの力」を育てるための組織的アプローチ ―個業的取組から協働的取組への転換を通して―

Action Research on Systematic Approach to Develop Linguistic Competence for Pupils as a Foundation of Learning ─Through the Shift from the Individual Work to the Collaborative Work─
渡辺 由利子 島根県松江市立雑賀小学校
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内容記述(抄録等)
本研究は, A小学校の特色ある教育活動である「ことばの力」の育成を, これまでの個業的取組から協働的取組へと転換する際に, 組織的アプローチとしてどのような働きかけが効果的かを明らかにすることを目的とする。その転換過程では, 佐古秀一の「学校組織開発理論」をもとに, 学校改善の要件である①教職員の自律性, ②学校の組織性の2点からなる「学校の内発的改善力」に着目し, 協働化によるアプローチを行った。その結果, 教職員の「管理職との協働」の意識や, 教職員間の「立場の違い克服」による「支え合いの自覚」などの変化が見られ, 協働的効力感に伸びが認められた。また児童においても, 「ことばの力を育てるための学びタイム」の取組により, 自己の変容の手ごたえを感じ, 自ら学ぼうとする学習意欲の向上が認められた。協働化による学校改善は, 教職員だけでなく児童にも効果的な変容をもたらすことが明らかとなった。