学校教育実践研究

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学校教育実践研究 3
2020-03-30 発行

総合的な学習の時間のための地域課題探究教材開発の事例検討 ─ 「地域のビワ栽培」の実践に焦点をあてて─

Development of Inquiring Material about Local Issues for the Period of Integrated Study :Focusing on the Practice about the Loquat-Cultivation in the Region
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内容記述(抄録等)
現在、「総合的な学習の時間」では、他教科や日常生活、社会との関わりが重視され、今までよりもさらに「探究活動」を充実させ、「社会に開かれた教育課程」を編成していく努力が求められている。本研究では、校区の「地域課題」を題材に開発された小学3年「地域のビワ栽培」の教材を取り上げ、「構築的教材」に求められる「直接性」と「発展性」の視点から実践を分析し、本実践の意義や課題について検討を行った。本実践では、探究のまとめ・表現にあたって、地域課題にたいして「自分たちができること」が議論され、探究の過程では、子どもが地域の「人・もの・こと」に直接アクセスし、様々な形で情報収集を行うことが重視された。地域教材だからこその「生きた教材」と出会える「直接性」の強い教材であったと言え、子どもたちの議論は、生産者の方の苦労や現状の複雑さを知ることで、「発展」し、探究課題が練り直されていった。しかしながら、子どもたちが自身の経験と結び付け、生活経験をもとにして解決策を挙げていった一方で、身のまわりの生活の出来事から地域や社会の問題などへと発展的に拡大したりする、教材の「発展性」の面では課題があり、子どもたちの挙げた「自分たちができること」の手立てについてさらなる探究を進めることができなかったか検討を行った。