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島大法学 33 巻 1 号
1989-05-15 発行
イギリスにおける労働組合の統制処分と組合員の救済(1)
The Trade Union Discipline and Remedies for disciplined union members in Britain(1)
本文ファイル
a001003301h002.pdf
( 3.29 MB )
内容記述
イギリスにおいては、組合員に対して行なわれた労働組合の統制処分が組合規約によって明示的に承認されなかった場合、あるいは自然的正義 natural justice の原則に違反した組合内部審判所による組合員に対する申立の審査の結果であった場合には、その統制処分は不当であり、無効とされる。このような不当な統制処分を受けた組合員に対していかなる救済手段が適用されることができるのであろうか。統制処分のなかでも、とりわけ除名が労使間に組合保障協定などが締結されている場合、解雇と直結することによって組合員の労働の機会を奪う可能性をもつことになることを考えると、不当な統制処分に対する救済を検討することは、団結自治と組合員の権利保障の関係をめぐる重要な法的課題であると考えられる。そこで以下においては、不当な統制処分を受けた組合員に対して適用されるイギリスにおける救済手段の展開とそれに関連して生起する法的問題を考察することを試み、あわせてわが国の団結権論の再検討の一助としたいと考える。なお、特に断らないかぎり、不当な除名に対する救済を想定して検討を進めていくことにする。
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