本研究では主に3 つの分析を行った。まず第一の結果として、末子に中学生以上の子どもをもつ父親に比べて、末子に乳幼児をもつ若い父親の方が育児意欲が高いことが明らかになった。次に第二の結果として、管理職が男性の育児参加に対して寛容な態度であれば、職場における男性が利用可能な育児制度の整備やその育児制度の活用が促され、職場の育児制度や活用状況への満足度が高くなる傾向があることが明らかになった。そして第三の結果として、多くの父親に育児意欲に対して育児実行度が低い自己不一致が認められた。育児実行度を上昇させ、不一致を解消するためには、職場の管理職が男性の育児参加を容認していくことが必要であることが示唆された。今後、管理職が男性の育児参加に対して寛容な態度にはどのような要因が影響を与えているのか、さらに検討を行っていきたい。