幼稚園・保育園の『壁面構成』の実態を調べることにより、保育環境における『壁面構成』の現状を把握するとともに、『壁面構成』の意義を考える資料とすることを目的に事例調査を行った。(1) 構成の形式は、平面構成のみと平面構成・立体構成の混合構成の2つに分類でき、混合構成の園の方が多かった。(2) 構成の内容は、子どもの絵画や作品、季節を取り入れたもの、行事に合わせたものが多かった。(3) 壁面構成の主体は、造形は子どもが行い、それを元に保育者(大人)が全体を構成するというケースがほとんどであった。(4) 子どもの造形活動の一環として壁面構成を利用している様子が伺えた。壁面構成の起源は元々は装飾であったが、現在では教育的な意味が強まっていると考えられる。