本調査は、臨地実習指導に関わる看護師の実習指導の現状とコロナ禍による実習指導上の影響を明らかにし、実習指導体制における現状と課題を検討することを目的とした。対象者は、B病院看護師であり、実習指導の実施状況と認識、コロナ禍の影響についてWeb調査を行った。回答者のうち、調査実施年度に実習指導に関わった141名を分析対象とした。多くの看護師が、COVID-19対策による実習指導への影響を認識しながらも、看護実践の経験や見学ができるよう関わり、学生が把握していない患者情報を適宜教えながら指導を行っていた。また、看護師長、臨床実習指導者の役割を有する看護師の方が、実習目標、内容、学生のレディネスを把握して指導を行っていた。一方、学生をPNSの一員と意識して関わることや、レディネスを把握した実習指導については全体的に実施状況が低く、困難感が高い結果となり、実習指導体制における課題であると示唆された。