Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University 55
2022-02-17 発行

高等学校における探究的な学習の意義に関する考察 : 「高大接続改革」で求められる「確かな学力」の育成に着目して

A study of the Significances of the Inquiry Learning in High School : Focus on the Cultivation of the Solid Academic Abilities in the Reformation of High School-University Articulation
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本稿の目的は、大学入試改革および高等学校の普通科再編を含む「高大接続改革」に着目し、高校と大学とで育成が求められる「確かな学力」の育成における探究的な学習の意義を検討し、探究的な学習を通した学力形成の方法について考察することである。本稿ではまず、「高大接続改革」の中で、これからの時代の中で新たな価値を創造していく「確かな学力」の育成が目指されており、その確かな学力に基づく「学力の三要素」を多面的かつ総合的に評価する方針で大学入試改革が進められていることを確認した。こうした改革が進む一方で、高校・大学ともに、知識伝達型の「習得」に重きを置いた従来型の教育からの脱却には課題もあり、「何を学びたいのか」や「自分に合った学びとは何か」を考えたうえでの積極的な進路選択を促進し、学びがいのある学習の実現による学習意欲の醸成や基本的な学力・学習習慣の定着に取り組んでいくことが求められる。学習意欲の向上や、主体的かつ積極的な進路選択の実現のため、島根県内でも各高校で特色化・魅力化が進められており、グランドデザインの策定・公表を通して学校入学希望者に主体的な進路選択を促し、学校のカリキュラム・ポリシーや経営戦略に沿って探究的な学習が実践・評価・改善されている。本稿では、それらの実践の意義と、今後さらに探究を実りのあるものとしていくため、「教科」と「探究」の接続、真正の評価の視点が重要になることを指摘した。
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