Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University 53
2020-02-17 発行

L.モーツァルト作曲《トロンボーン協奏曲ニ長調》の 演奏解釈に関する考察

Consideration about Performance Interpretation of L. Mozart's Trombone Concerto in D major
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本稿では、L.モーツァルト作曲の《トロンボーン協奏曲ニ長調》の演奏実践に先立ち、どのような演奏解釈を持ち、実際の演奏を行っていくかについて考察を試みた。楽曲を演奏する際には、その作品についてさまざまな視点から理解を深めることが重要である。本作品について、成立の歴史的背景を理解し、また、複数の演奏家の演奏解釈の比較分析、楽曲構造の分析などを通して、演奏解釈を構築し、実際の演奏法について考察した。作品成立の歴史的背景を辿ることにより、作品の様式や作曲の意図などの理解を深めることができた。また、演奏家による演奏解釈の比較分析においては、それぞれの演奏家の持つ音楽性や演奏スタイル、演奏技術の差異を客観的に捉えることができ、演奏のアイディアを見出していく上での参考とすることができた。そして、楽曲構造の分析を行い、音楽の構造を客観的に把握し、形式や和声の機能などの理解を深めることにより、フレーズ感や曲想などへの音楽的なイメージを膨らませることができた。これらを通して、本作品の実際の演奏へ向けた明確な演奏解釈を構築することができ、演奏法の考察を深めることができたと考える。
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