Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University 51
2017-12-28 発行

被服における意識の変容に関する授業実践

A Teaching Practice of Change of Consciousness in Clothing
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 本研究は、2017年度前期に島根大学教育学部で専門教育科目「着ごこちの科学」の授業を受講した大学生(以後、受講生と記す。)を対象にして授業実践を行い、毎授業後の個別ふりかえりカードや授業内における教師の質問に対する考え・感想等の内容分析を行った。この結果を基に、現代社会に生きる受講生の被服における意識が、授業実践によってどのように変容していったかを明らかにすることを目的とした。併せて、受講生の衣生活管理能力が向上するためにはどのような授業内容が有効かを検討することにした。
 授業開始直後と全授業終了後の受講生の被服における意識を比較した結果、受講生にとってファッションという着飾るためのものであり、実生活に必然的に存在し、着ることは当たり前の行為になっている被服について、自分との関わりから捉え、着ることの意味を問い直す意識へと変容したことが分かった。また、受講生の被服における意識の変容は、授業を重ねる毎に深まっていったことがうかがえた。        
 これらの被服における意識の変容理由としては、著書の抜粋を用いて被服と人との関わりに着目するようにしたことや被服における“着ごこち”を機能面と心理面の二側面で捉えたこと、被服の歴史や被服管理の内容を実際に体験したり実生活と結びつけたりしたことなどの授業実践を行ったことが考えられる。
 本授業実践を通して、衣生活管理能力の向上につながるであろうと考える意識も表れたが、明確なものとは言えない。そこで、今後の課題として、衣生活管理能力の概念をより明確、かつ具体的にした上で、その能力を向上させるために有効な授業内容の検討が必要である。
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