本研究は、教員養成系学部の大学1年生を対象とした学習者の身体コミュニケーション力の育成を促す体育授業において、学習者が体の実感をもって成果をふりかえることができる評価項目の作成を試みた。評価項目の作成にあたっては、体ほぐし・レクリエーションゲーム・ダンスを教材とした授業を実践した後の学習者の内省文から、「言葉以外のものによって伝わったこと」に関する記述を抽出、分類し、教材の違いを超えて共通に出現したキーワードを拾い上げた。そして、これらのキーワードを評価項目に組み込むことによって、学習者が、身体活動を通して実践できた言語的・非言語的コミュニケーション活動やそこから得られた感覚などをふりかえることのできる評価項目を構成した。