(1) 対象住宅のほとんどに畳空間が設置されており、さまざまな用途使用されていた。
(2) 畳空間に対する重視点は、全体的に見ると「やすらぎ」「使い勝手のよさ」が多かった。しかし、若年層ではデザインや伝統など様式的な点を、高齢層では実用性を求める傾向がある等、年齢によって異なることが明らかとなった。
(3) 畳空間の設置希望は非常に高く、その理由としては実用的側面と文化的側面が多かった。若年層は従来の和室のイメージ、中年層では実用性、高齢層ではデザイン性や文化面とともに実用性が理由であった。また、女性は実用的側面、男性は文化的側面からの理由が多かった。
(4) 今後の日本の住宅における畳空間は、部屋として残ると考えている人が多く、今後も部屋として畳空間が残っていくと考えられていた。しかし、若年層と男性に畳空間が住宅から消えると考えている層があること、また、30歳代以下の若年層と女性に畳空間はより洋風化していくと考えていることも明らかとなった。
(5) 以上のことから、今後もしばらくは畳空間は住宅内に設置され続けるものの、より洋風化していくことが予想され、さらには畳室のない住宅も増加していくものと推測され、置き畳の需要が増えていくものと考えられる。