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島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学 22 巻 1 号
1988-10-31 発行
初期母子関係の発達と愛着の問題
Development of Early Mother-Infant Relationship and Some Problems of Attachment
鯨岡 峻
本文ファイル
b002002201k004.pdf
( 2.78 MB )
内容記述
筆者は最近,初期母子関係の発達を間主観的関係の発達として捉えることの必要を説く一方,そのような関係に迫る方途として,関与しながらの間主観的な観察の必要を提唱した(鯨岡,1987.1988)。これは一言で言えば母子間で間主観的に感じられる様々な広義の情動が、母子の関係を型取るものであり,研究者は母子の関係の場に臨んで,この広義の情動の動きを間主観的に把握することが可能であり,また必要だということである。
ここで広義の情動の把握とは,例えば,<しっくりくる><ゆったりした><せかせかした><落ち着いた><リズム感のある>等々の力動的様相の感知(Stern,D.N.(1985)の言うvaitalaffectに対応する)から,<安心した><不安げな><嬉しい><可愛い><可愛げがない><腹立たしい>等々の感情の感知,さらには<信頼感がある><不信感がある><自信がある><自信がない>等々の主観的内容の把握を含むものである。
本稿は,これら旧稿での論考を踏まえながら,最初の数ヵ月の母子関係の発達を愛着関係の発達という観点から整理してみようとするものである。
ここで広義の情動の把握とは,例えば,<しっくりくる><ゆったりした><せかせかした><落ち着いた><リズム感のある>等々の力動的様相の感知(Stern,D.N.(1985)の言うvaitalaffectに対応する)から,<安心した><不安げな><嬉しい><可愛い><可愛げがない><腹立たしい>等々の感情の感知,さらには<信頼感がある><不信感がある><自信がある><自信がない>等々の主観的内容の把握を含むものである。
本稿は,これら旧稿での論考を踏まえながら,最初の数ヵ月の母子関係の発達を愛着関係の発達という観点から整理してみようとするものである。
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