島根大学教育学部
島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学

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島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学 Volume 11
published_at 1977-12-25

堅白石 : 公孫龍に於ける対象認識の様相

A Hard and White stone : On the of Cognition in Gong-Sun Long
Asano Yuichi
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b002001100k004.pdf ( 2.68 MB )
Descriptions
 先に私は『公孫龍子』指物論について論じ、そこに披瀝される認識論の特異性こそが、公孫龍の思想全体を最深部に於て規定している最大の要因であることを述べた。指物論の中心主題は「物莫非指而指非指」との二大命題であったが、指物論自体は原論としての性格が強いだけに、前記の両命題が成立する具体的根拠に関しては、未だ不明確な点を多く残していた。これに対して、以下私が取り扱う堅白論に於ては、公孫龍は堅白石なる具体的対象物を選択して、彼の認識論的立場をより明瞭な形で展開する。この堅白論の論理構造を追求することにより、公孫龍の認識論上の特色を更に明確にしたいとするのが本論の目的である。