島根大学教育学部
島根大学教育学部紀要

アクセス数 : 0
ダウンロード数 : 0
島根大学教育学部紀要 Volume 58
published_at 2025-01-31

荒木直範によるナチュラルダンスの摂取 : 1920年代の Margaret H’Doubler のダンス教育との比較

Absorption of Natural Dance by Naonori Araki: Comparison with the Dance Education of Margaret H’Doubler in 1920s
full_text_file
島根大学教育学部紀要_58_001-010.pdf ( 2.32 MB )
Descriptions
 本研究は,日本の学校体育におけるダンス教育の転換期である1920 年代に,欧米からナチュラルダンスを摂取した際の欠脱について考察するための研究資料を得るものである。大正後期に活動したダンス教育者荒木直範と彼が留学先でナチュラルダンスを学んだマーガレット・ドゥブラーの,両者の指導観,指導方法,ダンス教材の特徴の比較を行った結果,以下の(1)~(3)が明らかにされた。(1)ナチュラルダンスの摂取は,体育ダンスの教育目的の質的な転換をもたらした。(2)荒木は新しい教育目的を具体化するダンス教材を模索し,ドゥブラーの指導によるダンス作品から触発されたナチュラルダンス教材を創作した。(3)荒木がナチュラルダンスの指導方法を摂取する際,表現媒体としての身体を育成し動きの基礎的要素を学ぶ体系化された教材や学習者の主体的な探究を引き出す指導方法が欠脱した。
Doi
https://doi.org/10.24568/55455