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島根大学教育学部紀要 Volume 50
published_at 2016-12-28
高校生の食生活管理能力形成のための課題
Problem for Diet Management Ability Formation of High School Students
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本研究は、家庭科において自らの食生活を営む力である食生活管理能力を形成するために、より効果的な学習内容や学習方法を検討することを目的とし、A県の高等学校1校1年生の5学級計167人を対象に、食生活の実態と意識についてのアンケート調査を行った。その結果、朝食を毎日取っているのは約3/4の者であり、朝食メニューは、「主食のみ」という者が男女ともに最も多かった。そして、メニューの栄養バランスを生徒自身が自己評価した結果、「わからない」と回答した者が多くを占めた。また、生徒の自己評価と調査者による評価とが一致した者は非常に少なく、自分の食事の栄養バランスを正確に判断する能力が身についている者は少ないことが明らかとなった。
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さらに、朝食メニューの組み合わせ方と昼食の栄養バランスの関連性を見ると、朝食メニューの組み合わせ方のバランスがよい者は、昼食の栄養バランスがよい傾向にあり、食事についての基本的な考え方が影響しているものと考えられる。
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また、夜食を取る頻度が高いことや食生活に関する家事参加の低いことが明らかとなった。それゆえ、自分1人で料理を作ることができるという者は約2/3であり、カレーライスやチャーハンのように一品料理を挙げている者が多かった。このように、食生活の実態と意識を明らかにした結果、生徒自身が自らの食生活を振り返る機会が少ないこと、自らの食生活の実態を踏まえての学習があまり行われていないことなどから生じたものと考えられる。したがって、まず学習前に自分の食生活を振り返り、その結果を活かして学習できるような学習資料の作成が必要であると思われる。これらの学習資料の活用により、自らがより良い食生活を送るための食生活管理能力の形成へとつなげていくことが、さらに今後の課題となる。
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https://doi.org/10.24568/38420
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PP. 45 - 50