子ども一人ひとりが, 食生活を自立的に営むことのできる力をつけることは, 生涯学習としての重要な課題である。しかし, 子ども達の実際の食生活には様々な課題があり, その一つが野菜嫌いである。加えて, 嫌いなものは食べないという傾向があり, その傾向は小学生よりも中学生の方が強まっている。野菜は体の調子を整えるために重要な働きをしており, 野菜嫌いなどによる偏食が栄養バランスの崩れをもたらし, 子ども達に生活習慣病を引き起こす要因でもある。また, 子どもの食生活を管理する家族において, 心理的な負担をもたらすものとなっている。
そこで, 大学生を対象にして現在からの振り返りによって, 彼らの幼児期の食生活や食育の実態を明らかにするとともに, 幼児期と大学生である現在の野菜の好き嫌いの実態を比較し,野菜嫌いを克服するための基礎的な資料を得ることを目的とした。