医療的ケアの現場では対応する教員の不安や, 学校看護師との情報共有が不十分などの課題が指摘されている。医療的ケアについて, 教員の意識や困り感を把握していくことは, 教育の質の向上や看護師や保護者との有効な連携に繋がる。そこで, 島根県内の医療的ケアの必要な児童生徒の在籍する特別支援学校3 校の教職員101名に質問紙調査を行なった。医療的ケア児の教育に関する個人の課題は教員歴の積み重ねによって深まることや, 医療機関や保護者との連携は医療的ケアの資格を得ることで解消されることなどが示唆された。さらに, 校内においての問題点の共有と, 教員の専門性を高める教育体制や看護師の意見を積極的に発信できるシステムが必要であることを指摘した。