がん看護についての看護基礎教育の不十分さや知識・技術の不足などを解決するために、2013年度から『看護学科と看護部との連携・協働による「がん看護実践者」育成プロジェクト』を立ち上げ、3年間で研修会6回、ワールドカフェ2回、事例検討会9回を実施した。看護職、看護学科の教員・学生および大学院生、他職種を対象とし、延べ参加者は研修会476名、ワールドカフェ66名、事例検討会212名だった。それぞれの企画についてアンケート調査を実施し、看護実践への活用の可能性について問うたところ、研修会375名(93.7%)、ワールドカフェ40名(93%)、事例検討会177名(97.3%)が活用できると肯定的に回答した。自由記述では、「自身の看護を振り返る機会」「他病院の現状や取り組みを聞くことによる新たな発見」「看護実践の中で誰もが感じる苦悩を共有し活路が見いだせる体験」などの記載があった。本プロジェクトを継続して実践したことで、タイムリーな話題を他施設の看護職とともに学び語り合うことで、新しい知識を習得し看護観をみつめ直すことができ、多角的な視点で看護実践をすることの重要性が示唆された。