本研究の目的は、就労している成人期男性胃がん術後患者の食事摂取に関する困難と対処を明らかにすることである。研究方法は,就労している成人期男性胃がん術後患者6名に半構成的面接を実施し、質的帰納的に分析した。その結果、食事摂取に関する困難は【常に思うように食べることができない】【思うように体力の回復を実感できない】【元のように社会参加ができない】が抽出された。対処は【新しい胃での食事摂取方法を模索し続ける】【回復を期待しながらも新しい胃を受け入れる】【元の社会生活を希求して体調や食事を調整する】が抽出された。患者は胃切除後症候群を和らげるために自分に合った食べ方や暮らし方で対処をしても、元のように食事摂取できないことに困難を抱えていた。看護師は患者の社会的役割などをふまえ、セルフマネジメントできるよう多職種が連携することの必要性が示唆された。