看護学生が研究手法を学ぶ3年次の「看護研究方法論」について、4年次の卒業研究との繋がりの視点による授業評価から問題点を明らかにすることを目的に、A看護系大学3・4年生計124名に質問紙調査を行った。研究プロセスに沿った授業内容の理解度や卒業研究への役立ち度、教授方法や教材の適切性を4段階評価で尋ねた。3年生24名(回収率38.7%)、4年生19名(同30.6%)の分析の結果、統計結果の読み取りや論文作成の3年生の理解度が最も低く、「卒業研究は先だと思って熱心に取り組めなかった」等の記述からも3年次は卒業研究への動機付けが不十分で理解が進みにくいことが明らかになった。また4年次の役立ち度の結果や自由記述から、量的研究の演習を中心に行ったため質的研究の演習が不足していることも明らかになった。以上より3年次に卒業研究に対する動機付けをどう行うか、また質的研究の方法演習を組み込むか否かが、今後の検討課題である。