2013年に看護学科と看護部との連携・協働による「がん看護実践者」育成プロジェクトを立ち上げ、3年間が経過した。本事業の目的は看護学科と看護部が連携・協働することで、あらゆる年齢・生活の場・病気のステージを見据えた地域での暮らしと看取りを見据えたエビデンスのある「がん看護」の実践者(学部生及び大学院生、看護師、教員)を育成することである。そのために、研修会や事例検討会、地域との交流を目指したワールドカフェを定期的に開催した。さらに、がん看護に関連した学会への参加、最先端の医療施設の見学、臨床的課題の解明に向けた看護研究に取り組んだ。これらの取り組みは、看護基礎教育から卒後教育までの一貫したがん看護教育プログラム開発の基盤づくりとなった。同時に、看護学科と看護部の人事交流が促進し、がん看護の質の向上に寄与しつつある。今後も継続して大学教育と臨床実践が融合することで、がん患者とその家族に対して質の高い看護を提供することが可能になると考える。