学校教育実践研究

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学校教育実践研究 4
2021-03-30 発行

「探究の技能」, 「伝達の技能」と「探究の過程」に示された理科における資質・能力の例の比較検討

A Comparative Study of “The Skills of Inquiry” , “The Skills of Communication” and Examples of Science Competencies Shown in ”The Process of Inquiry”.
大山 朋江
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内容記述(抄録等)
小林ら(2013) が, プロセス・スキルズを日本の実情に即して, 精選・統合したり, 新しく加えたりして開発した「探究の技能」, 「伝達の技能」を参考にして, 理科授業において, 子どもに身に付く理科における資質・能力の具体と日々の理科授業における子どもの探究を支える教師の手立てや子どもへのはたらきかけを探りたいと考えた。そこで,本研究は, 「探究の技能」, 「伝達の技能」と「探究の過程」に示された理科における資質・能力の例の比較検討を行い,今後の理科授業構想の資料を得ることを目的とした。
比較検討の結果, 次の2点が導出できた。1つは, 「探究の技能」, 「伝達の技能」は, 概ね「探究の過程」に沿って配列されている。今1つは, 「探究の技能」, 「伝達の技能」は, 『中学校学習指導要領解説理科編』(2017) の「探究の過程」に示された理科における資質・能力の例のどれか1つだけと意味内容が合致する技能ではなく, 複数の資質・能力と合致する技能である。つまり, 資質・能力の例は「探究の技能」, 「伝達の技能」を要素として構成しており,「探究の技能」, 「伝達の技能」は, 「探究の過程」のいろいろな過程で働いたり, 身に付けたりする技能である。これらのことから, 「探究の技能」, 「伝達の技能」は, 「探究の過程」を経る理科授業において, 子どもが働かせたり, 身に付けたりする資質・能力を評価する規準とそれらを達成するレベルとなる基準を学校現場に明示するための第一次資料ともなりうる。
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