Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University 52
2018-12-28 発行

若年者の注意機能に対する短時間軽運動の効果 ―学校現場での応用に繋げるための一考察―

Effects of Short and Light Exercise on Visual Attention in Young Students. ― A Study for Applying in the Educational Field ―
黒瀬 拓志 山口県立田部高等学校
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注意機能は認知機能の基盤となるものであり,情報入力の一端を担う重要な機能である.本研究では,短時間の軽運動が若年者の注意力に与える影響について検証し,学校現場での応用に繋げるための考察を行うことを目的とした.対象は健常成人11名(20.5±1.4歳,男性8 名,女性3 名)である.注意機能の評価には,スマートフォン用のアプリケーションであるTouch the Numbersを用いた.対象は,Touch the Numbersを15回実施した後に短時間の軽運動( 5 分間,50%HRmax)を行い,再度15回の計測を行った.その結果,軽運動前は15.19±2.23秒であったのに対して,軽運動後は14.23+1.88秒と軽運動後に有意(p=0.004)な時間の短縮が認められた.さらに,軽運動前の記録と軽運動前後の記録の変化量に有意な正の相関関係が認められた(r=0.629,p=0.038).以上の結果から,短時間の軽運動は若年者の注意機能を改善させることが示唆された.また,50%HRmaxの運動強度を確保する活動は,約2 分間の開閉ジャンプや全身ジャンケンなど特別な設備や場所を必要としない活動であっても実施可能であることから,本研究の結果は,教育現場での活用も可能であると考えられる.
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