Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University 48
2014-12-25 発行

クリ品種‘ぽろたん’における果皮中の可溶性タンニン含量および抗酸化性

Soluble tannin content and antioxidative activity in the pericarp of Japanese chestnut cultivar‘ Porotan’
Mishima, Shota
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 近年,果皮の剥皮性に優れた新品種クリ‘ぽろたん’が開発された.我々は‘ぽろたん’特有の剥皮性を利用し,果皮について健康食品素材,食品の物性改良素材,抗菌素材としての可能性を明らかにし,それらの効果を最大限に発揮させるための最適条件について研究している.本報では,‘ぽろたん’の果皮について歩留まりや色調などの特性ならびに可溶性タンニンを効率良く抽出する方法について検討した結果,以下のことが明らかになったので報告する.
(1)‘ぽろたん’と‘銀寄’の果皮色,歩留まり,可溶性タンニン含量について比較実験を行ったところ,ほぼ同等の結果が得られた.
(2)‘ぽろたん’について,蒸煮(3分間),蒸熱(3分間),電子レンジ(2分間)による剥皮を行い,果皮の可溶性タンニン含量の比較を行ったところ,電子レンジ加熱が最も高い数値を示した.
(3) 20,40,60,80,100%の含水エタノール溶媒を用いて,エタノール濃度が可溶性タンニン含量に及ぼす影響を検討したところ,40%エタノール抽出区がもっとも抽出効率が優れていた.
(4) 水および40%エタノール溶液を用いて,抽出時間および温度が可溶性タンニン含量に及ぼす影響について検討した.その結果,水抽出区では100℃抽出の3もしくは6時間抽出区が最も抽出効率が高かった.また,40%エタノール溶液区は,一部例外はあるものの,各温度処理区で水抽出よりも高い結果が得られた.特に80℃処理区の3 および6時間抽出区の抽出効率が高かった.
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