本研究では、介護等体験に対してプラスイメージを持った学生が、そのイメージを持つに至った経験プロセスを明らかにすることを目的とする。研究方法は、対象を介護等体験に対してプラスイメージを持った学生に限定しインタビューを行い、その経験プロセスを、M-GTAを用いて明らかにした。結果、介護等体験にプラスのイメージを持った大学生は、<居場所の所在>を確認することで、心身共に安心し緊張から解放され、自身の能力を十分に発揮して<能動的な体験活動>ができるようになり、関係性をさらに発展させた<相互に信頼し合える関係>を築くことができるようになる。そしてこれらには、“職員による実習生への言葉かけ”があることで、学生が生き生きと体験できるようになったといった経験プロセスを捉えることができた。
今後の課題としては、<相互に信頼し合える関係>につながる受け身から能動的な活動への移行の背後にあるものを明らかにすること、介護等体験に対してマイナスのイメージを持った学生の語りにも注目し、この体験の経験プロセスの全体像を捉える研究をすることである。