「アセスメント」という言葉が学校の生徒指導場面で、近年よく使われるようになってきた。学校現場では「アセスメント=見立て」という意味で使われ、子どもの背景など環境要因の見極めをするときに使われている。そこで、アセスメントシートやアセスメント面談を取り入れながら児童生徒理解を行っている学校関係者に対してインタビューを行い、その有効性について調査を行った。本研究で分かったことは、アセスメントシートを活用することで児童生徒を多面的にとらえ、自分一人の見立てで判断しようとせず、見直したり、情報共有をしたりするように教師の意識が変わってくるということ。またアセスメントを丁寧に行うことによって児童生徒に対する教師の関わり方や指導が、根拠に基づいたものや見通しを持ったものになり、「自信を持って指導できるようになった」「生徒の行動面に振り回されないことで自分も楽になった」という実感を伴う支援に変化していったこと。同時にアセスメントシートを活用したアセスメントのもとに教師が支援的な接し方をすることで、教師と児童生徒の相互間に良い関係が作り出されていくことが分かった。つまり生徒指導場面でアセスメントシートを活用してアセスメントをすると教師の見立てる力が育成され、児童生徒に対する関わり方が変化し、児童生徒との良好な関係性の構築ができるという点において有効であることが分かった。