教員養成における質保障・質的水準の向上が求められている状況を踏まえて,島根大学教育学部における4年間の教育実習プログラムを通しての教員志望学生の資質能力の変化をアンケート調査のデータから検討した.その結果,授業観察の視点について1年次と4年次で比較した結果,自己評価の厳しさ等によって4年次で数値が必ずしも上がらないこと,学校現場の状況によっては獲得できない視点があることが明らかとなった.また,教育実習での実践や児童・生徒との関わりを学校教育実習Ⅲ・Ⅳ・Ⅵで比較した結果,学校教育実習Ⅲよりも学校教育実習Ⅳ・Ⅵで自己評価が高くなることが確認された.それゆえ,教育実習の継続的な展開が不可欠であることに加え,教育実習に転移可能な経験を学部教育・教員養成プログラムに組み込むことも必要であると考えられた.