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島根大学教育学部紀要. 教育科学 Volume 4
published_at 1970-12-28
複式学級における授業の研究(II) : 3-4年複式「わかば学級」の実態と授業例
A Study on Teaching-Learning Process Analysis in a Class of Two Grades(II)
Hibi Yutaka
full_text_file
b005000400k004.pdf
( 3.12 MB )
Descriptions
前年度の紀要で第1次報告をしたように,昭和44年度の2学期から島根大学教育学部附属小学校複式部(1−2年,3−4年,5−6年の3学級)のスタッフと共同研究を開始した。その意図は前回に述べているので省略するが,研究の中心は”渡り鳥”ということばに象徴されているような古い形式的な複式授業観を打破すべく,同単元同教材の授業展開を徹底して究明するということである。2学年にわたっているにせよ,学級集団を構成している児童が,ただでさえ学級児童数がすくないうえに,学年別に同一教室で学習することの不自然さは,指摘するまでもないことである。にもかかわらず,多くの場合,表面的な安易さから脱しきれないでいるのは,学年的な認識の発達段階というものを形式的にとらえ,これをかくれみのにしているからではないであろうか、同単元同教材学習の必要が時々おもいだしたように強調されるにとどまっているのは,もちろん複式学級のもつ問題の根の深さ,困難さによるが,また一つにはその問題に正面からむかっていって,具体的に根気づよく同単元同教材学習のあり方を究明してきていない点に大きな理由があるのである。
わたくしたちは,同単元同教材の学習をすべての複式授業の原則ないし原理と考えているが,その形式のみを強調するのではない。学級集団が一つになって協力して学習するその姿を究明することなしに,子どもの個性を大切にし,個人差・学年差・男女差等を授業の中で真に考慮し,それらを生かすことはできないであろうという考え方をしているのである。
わたくしたちは,同単元同教材の学習をすべての複式授業の原則ないし原理と考えているが,その形式のみを強調するのではない。学級集団が一つになって協力して学習するその姿を究明することなしに,子どもの個性を大切にし,個人差・学年差・男女差等を授業の中で真に考慮し,それらを生かすことはできないであろうという考え方をしているのである。
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