起動動詞の進行形にVingが後続することを許さない要因の一つは, Vingの継続性・反復性である。to Vは出来事の開始点に焦点を当てるため, 起動動詞と共起しやすい。一方で継続, すなわち開始点や終結点への近接や反復の意味を持つVingは「開始」「終結」を表す起動動詞と共起しにくい。
さらに,「二重 -ing 制約」の可否は起動動詞の進行形や後続するVing が表す時間の逆行にあるわけではない。また,起動動詞の進行形と後続するVingの意味解釈の点からも, それらの連続が容認されないと考えられる。このような複合的要因によって起動動詞の進行形に後続するVingの生起が決定されることを主張する。