島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 55
2022-02-17 発行

翻刻 西村天囚著『懐徳堂考之一』(その一)

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内容記述(抄録等)
本稿は、西村時彦(号は天囚・碩園)著『懐徳堂考之一』の翻刻(その一)である。『懐徳堂考之一』(抄本、一冊)は、天囚の故郷である種子島・西之表市の西村家が所蔵する西村天囚関係資料の中から発見された。『懐徳堂考之一』の前半部は、明治四十三年(一九一〇)一月二十九日に行われた大阪人文会第二次例会での講演の原稿となった「草稿」に該当するものであり、『懐徳堂考之一』全体としては、同年二月七日から二月二十七日まで大阪朝日新聞に連載された、天囚の「懐徳堂研究其一」(完結時に『懐徳堂考』上巻と改題)の草稿に当たると考えられる。『懐徳堂考之一』により、懐徳堂顕彰運動の起点となった天囚の懐徳堂研究の実態が明らかになることは確実であり、近代日本漢学における天囚の思想史的位置の解明に資すると期待される。