2017年の学習指導要領改訂によって小学校3・4年生で外国語活動, 小学校5・6年生で外国語科を学習することになった。外国語科においては, 「読むこと」「書くこと」の領域が加わることになるが, とりわけ「書くこと」に関する指導上の課題が指摘されてきた。本研究では,小学校における外国語の指導経験が豊富な2名の教師を対象としたインタビュー調査を基に,彼らの指導方略をモデル化することを目的とする。分析の結果, 「音声による言語学習」「4技能統合に向けての段階的指導」「必要感をもった『書くこと』の活動」という共通点が見られたが, 対象者の指導方略は, 「スモールステップ」を軸とするものと「学習者中心の共同体」を軸とするものと対照的であった。それらを踏まえ「学習者中心の共同体」に移行するためのモデルを提起した。