コミュニケーションや社会性に問題がある園児が、他の園児と特定の関係を築き、共同注意行動が生起する過程を検討した。半構造化した集団遊び場面と自由あそび場面で、他園児とのやりとりを観察した。観察前後で、共同注意行動の評価を行った。その結果、特定の園児と関係を築き、自発的提示や指さし行動等が増加した。コミュニケーションや社会性に問題のある園児が、共同注意の関係をつくれる他の園児の条件として、①自分の気持ちやしたいことを上手く伝えられなくても受け入れてくれること、②争うことがなく安心していっしょに遊ぶことができること、③興味のある対象が同じであること、④片方の園児から一方的に関わりを求めるのではなく、相互に関わりを持とうとする関係ができることの4点が重要であることが示唆された。