看護者が他者を援助するための対人関係能力の育成は,看護学教育の重要な要素の一つである。本学科においては1年次前期にコミュニケーション論を開講し,看護者が援助専門家として他者を尊重して看護するためには,まず自分自身を尊敬・受容することが必要であるという立場から,構成的グループ・エンカウンターを活用したコミュニケーション演習を導入した。本研究では,コミュニケーション演習の授業評価を行い,教育の効果と課題を検討することを目的に,履修学生46名を対象に調査を実施した。その結果,演習後に自尊感情の向上が認められ(p<O.01),演習の教育効果とともに課題が明らかになった。