Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science 22 2
1988-12-26 発行

技術科教育における学習意欲に関する研究(II) : 図学学習における達成動機とその変容について

A Study of Achievement Motivation in Technological Education(II) : Achievement Motivation and its Change in Descriptive Geometry Learning
Oguni, Hiroaki
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 図学は主として,三次元の空間図形(立体図形)を幾何学の諸定理を理論的根拠として,それを二次元の平面上にいかに適切に図表示するか,という客観的方法やその図形の幾何学的性質を考究する学問といえる。
 従って,例えば工業高専の第1学年の学生が図学について学習する場合に,学習者はほとんど初心者であるといえる。また,筆者の授業経験からも,学習者は,図学に関する既習の幾何学的知識や理解の能カも決して十分なものとはいいがたく,「図学は難解で,親しみにくい」学問である,という意識をもつ者もなくはなく,特に,立体図学に対するそうした意識は強いようである。
 このようなことから,筆者は,図学教育の状況及び学習者の図学学習における認知的側面と情意的傾向などの実態をも十分に考慮した上で,初心者の図学指導に当たっての基本的な目標を明確にしておく必要のあることを提唱し,その実証的研究も試みてきている。
 そうした研究の一環として,前報では,高専生が初めて経験した図学学習に対してどのような学習意欲を持ち得ているのか,また,図学学習における達成動機づけと図学の問題解決のパフォーマンスとの関係について,学習進度の比較的初期の段階で分析し,その検討結果を報告してきた。
 本稿では,前報と同一の高専生を被験者にして,図学の履習期間がほぼ終了する時期の,図学学習における達成動機づけについて調べ,さらに学習の進展および図学学力の変化に関連する達成動機の変容についての検討を試みる。