本稿は、韓国国語教科書の基礎研究として、中学校「国語」教科書の小説教材について考察する。前稿「韓国中学校国語教科書の研究（１）」では、中学校「国語」教科書の仕組み、「国語」教科書の単元構成、「国語」教科書の学習の手引き、日本の教科書との比較、などについて考察した。また、資料編として、「国語１−１」「国語１−２」「生活国語１−１」「生活国語１−２」の教材一覧（大単元名・単元構成・題材名・ジャンル・著者・出典）を紹介した。本稿では、前稿をふまえて、韓国「国語」教科書（１−１、１−２）の全小説教材を取り上げる。取り上げるテキストは、２００１年からの第７次教育課程によって編集され、２００１年から使用されはじめた１年生の「国語」教科書である。１年生の教科書をテキストにしたのは、現在ではまだ３学年全部は使用されていない状況であることと、１年生の教科書は２年目の使用になり安定的なテキストとして普及している、という理由からである。小説教材については、題名（韓国語・日本語）、作者、出典、単元名、頁数、登場人物、あらすじを紹介する。そして、「学習の手引き」と『中学校国語科教師用指導書』を分析することで、韓国の小説教材の学習内容を明らかにしていく。巻末には、資料編として、本稿で取り上げた韓国中学校「国語」（１―１、１−２）の小説教材一覧表を示しておく。