平成20年の中学校学習指導要領改訂に伴い, 「化学変化と熱」の単元において「エネルギー」
ではなく「熱」に焦点を当てた学習が開始された。しかし従来手法では, 小学校で学ぶ「温度
や熱」の概念を継続して使用していることが多く, 本単元で温度や熱の科学的な定義を学ぶこ
とは少ない。そのため多くの生徒が温度と熱の正確な概念を形成できていないことが明らかと
なった。本研究では, 授業導入時に温度と熱を再定義した。その定義に基づいて, 単元「化学
変化と熱」の授業展開を考案するとともに, 中学校理科の授業において実践した。