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島根大学教育学部紀要. 教育科学 2 巻
1968-12-28 発行
テスト不安の教育心理学的研究(II) : 児童の知能・学力との相関
The Relationships Between Test Anxiety, General Anxiety, Intelligence and Academic Performance in School Children
上田 順一
本文ファイル
b005000200k001.pdf
( 1.7 MB )
内容記述
本研究は小学校4,5,6年生を対象に,テスト不安と一般不安の知能テストおよび学カテストに対する効果を明らかにすること,さらに,それらの効果の地域や,学年,性による差異を明らかにする目的をもっておこなわれたものである。その結果として、大略つぎのことが明らかとなった。
(1)テスト不安は一般不安に比べて,知能,学カに対して多くの有意な負の相関をなす。
(2)その際,知能の形式や学力の種別による相関のちがいはみられず,また知能と学力との相関上の差異も見出されなかった。
(3)都市,田舎の地域による差は全体としてはみられなかったけれども,不安の効果は,都市の男子,田舎の女子児童についてやや強いことが示された。
(4)不安の効果の男女差は,男子では知能に強くあらわれ,女子では学力に強くあらわれたが,これは地域的にみた場合でも全く同様であった。
(5)学年による変化については,4,5年に強くあらわれたことが特徴といえよう。
なお,今後の課題として,不安水準,知能水準,学力水準を考慮した上での不安の効果を明らかにすること,「性格−状況的概念」の立場から不安の効果をとらえることなどが必要と考えられる。
(1)テスト不安は一般不安に比べて,知能,学カに対して多くの有意な負の相関をなす。
(2)その際,知能の形式や学力の種別による相関のちがいはみられず,また知能と学力との相関上の差異も見出されなかった。
(3)都市,田舎の地域による差は全体としてはみられなかったけれども,不安の効果は,都市の男子,田舎の女子児童についてやや強いことが示された。
(4)不安の効果の男女差は,男子では知能に強くあらわれ,女子では学力に強くあらわれたが,これは地域的にみた場合でも全く同様であった。
(5)学年による変化については,4,5年に強くあらわれたことが特徴といえよう。
なお,今後の課題として,不安水準,知能水準,学力水準を考慮した上での不安の効果を明らかにすること,「性格−状況的概念」の立場から不安の効果をとらえることなどが必要と考えられる。
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