島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 46
2012-12-25 発行

幼稚園における食育の実態と課題

Actual Conditions and Problems of Dietary Education in Kindergarten
多々納 道子
山田 千尋
ファイル
内容記述(抄録等)
わが国では、家庭生活や社会生活の変化により、幼児の食環境が大きく変化してきており、幼児期においても様々な食生活の課題が生じてきている。食べることは、生きるための基本であり、幼児の健やかな心身の成長・発達にとって、極めて重要である。そのため、平成20年3月に改訂された幼稚園教育要領では、食育に関する事項が新たに加えられ、幼児期から食育に取り組むことになった。そこで、食育の担い手として果たす役割が重要になってきている幼稚園における食育の実態と課題を明らかにするため、島根県及び鳥取県の全ての国公私立幼稚園を対象にアンケート調査を実施した。
 幼稚園で食育の全体計画や目標を設定しているのは約1/3にとどまり、また食育の主担当者を決めているのは、約半数であった。子ども達に対しては、給食、弁当の時間や野菜の栽培などを通して、健康な心身・食習慣の形成や食べる喜びや楽しさを味わうことなどを目標にして、積極的に実施されていた。その内容は、友達や先生と一緒に食べることを楽しむ、食べるときの姿勢・マナーなどに関することを重視するものであった。
 このように、いわゆる実践先行型といえるような取り組みが行われており、さらに教員研修を工夫するなど、取り組みの体制についての充実が求められる。
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