Author | |
Description | 『蒼頡篇』は秦の始皇帝期に作成された識字書であり、漢代においても広く行われ、後代の小学書の成立に多大な影響を与えた。『蒼頡篇』はその後亡佚し、長らく実態が不明であったが、20世紀初頭に敦煌の辺境地域で発見された漢代の簡牘資料から『蒼頡篇』残簡が検出され、研究の端緒が開かれた。その後、阜陽漢簡『蒼頡篇』、水泉子漢簡『蒼頡篇』、北京大学蔵漢簡『蒼頡篇』などの出土によって研究が大きく進展し、さらに2019年に公表された漢牘『蒼頡篇』は、『蒼頡篇』の全容解明につながる重要な資料として注目される。本稿では、漢牘『蒼頡篇』と北京大学蔵漢簡『蒼頡篇』との比較を中心に検討を加え、『蒼頡篇』の押韻に関する仮説を提起するとともに、仮説にもとづく分析を通して『蒼頡篇』の章序を推定し、仮説の妥当性を検証した。
|
Subject | 蒼頡篇
押韻
章序
漢牘
北京大学蔵漢簡
|
Journal information |
Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University
54
, 41
- 50
, 2021-02-17
|
Publisher | 島根大学教育学部
|