Practical Research on School Education

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Practical Research on School Education 5
2022-03-31 発行

小学校理科教科書に見られる仮説設定の特徴 : 島根県松江市で採択された教科書を例として

Characteristics of Setting up a Hypothesis in Elementary School Science Textbooks : The Textbook Adopted by Matsue City as an Example
HORITA, Kanya
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本稿では、島根県松江市で採択された小学校理科教科書に見られる仮説設定の特徴を明らかにし、それに基づいて仮説の設定場面の特徴に従った授業展開が可能となる「問い」の提案を行った。
 仮説設定の特徴については次の3点が明らかになった。第一に、全ての小単元において仮説の設定場面が設けられているわけではない。仮説の設定場面がない小単元も少なからずある。第二に、仮説の設定場面は11に類型化される。加えて、仮説の設定場面は、学習指導要領解説理科編に記載されたように課題を捉えた後だけではない。課題を捉える前に仮説を設定する問題解決の過程もある。仮説を2回設定させる問題解決の過程もある。第三に、課題を捉えた後、説明仮説を設定する問題解決の過程が最も多い。第1分野では作業仮説を設定する場面も多い。
 仮説の設定場面の特徴に従った授業展開が可能となる、筆者らが提案する「問い」の概要は次の通りである。第一に、自然の事物・現象や児童の目の前で起こった事物・現象について、「はい、いいえ」で答えられる問いや「どのように」,「どのような」,「なぜ」,「何」などの問いかけを行うことで、子どもは実質的に説明仮説が設定できるようになる。第二に、「作業仮説」は2種類ある。一つは、「どうすれば、○○を△△できるか考えてみよう。」と問いかけることで設定できる。既習事項が多くはない小単元では、「どうすれば、○○を△△できるか考えてみよう。」と問いかける前に、「○○は何によって変わるか考えてみよう。」と問いかけることで、作業仮説が設定しやすくなる。二つ目は、「□□すると、どうなるか考えてみよう。」と問いかけることで設定できる。
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