本研究は, 様々な分野で盛んに研究されるようになったレジリエンスに着目し, 研究の手始めとして, レジリエンスとは何かを明らかにし, 技術科におけるレジリエンスの定義を, 広義「社会を生き抜く力」と狭義「ストレス適応力」として研究を進めた。次に, これまでの先行研究から技術科におけるレジリエンス概念の構成要素を特定するために, 関連する研究を洗い出した。さらに, 技術科の教師が, レジリエンスについて持つ意識を明らかにした。その結果, 調査対象者は, 学び合い学習をさせることは有効であると思っているが実際には学び合いの具体的な指導ができていない傾向にあるなど, 技術科における授業のあるべき姿はわかっており, そうありたいと意識しているが, 実際にそのような指導が実施できていないことが明らかとなった。