近年の技術の進歩により, 以前は高価で入手することが困難であったデバイスも比較的安価となり, 容易に入手可能になった. またICT技術の進歩も相まって, 社会教育や学校教育の場で実践することが難しかった天体観望が可能になってきている. そこで, CMOSカメラとPC (personal computer) を用いて, 眼視では見ることができなかった天体を, 子ども達がリアルタイムにモニター画面上で観望できる, 最先端の天体観望システム(電視天体観望システム)の構築を目指し, 社会教育施設や学校での運用に広げることを目標としてプロジェクトを開始した. 本稿は, 平成30年度, 島根大学教育学部戦略的機能強化推進経費(学部の教育・研究プロジェクト) 予算の支援を受け, 鳥取県立大山青年の家での試行を経て, 島根県立三瓶自然館「サヒメル」において, 電視天体観望の試みがなされ, 社会教育施設での観望時に特有の課題が解決できる足場を得たことの報告である.