Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science 20
1986-12-25 発行

島根式算数・数学の学習意欲検査(Shimane-AMTM)の開発(I) : 数学に対する自己概念,数学学習における達成動機,数学学習不安,数学不安,数学的問題解決に対する態度の5つの測定用具について

Developmant of Shimane Academic Motivation Test for School Mathematics (Shimane-AMTM)(I)
Ito, Toshihiko
Okamoto, Nobuyuki
Nagira, Shigehiko
File
Description
On the Scales for Measuring Five Affective Variables (Math Self Concept, Achivement Motivation in Math Learning, Anxiety in Math Learning, Math Anxiety and Math Problem Solving Attitude) in Math Learning  

 昭和58年,中央教育課程審議会は,二十一世紀への教育を考えて次のような経過報告をした。
 「今後特に重要視しなければならない視点としては自己教育力の育成がとりあげられる。自己教育力の核心は主体的に学ぼうとする意志,態度,能力の形成と確立であり,生徒に,「学習への意欲」と「学習の仕方」を習得させることをめざしている。」
 この経過報告にもあるように,今後ますます数学教育における情意面の研究は,重要になっていくであろう。
 わが国の数学教育における情意面の研究がさかんになってきたのはつい最近である。
 生活単元学習時代とよばれた昭和20年代は,態度の研究はさかんにおこなわれた。ところが,昭和30年代,昭和40年代は数学教育の目標は,認知的目標が非常に重要視されたため,数学教育における情意面の研究はほとんどなされなかった。
 昭和50年代に入り,数学教育現代化の反省をうけて数学教育の目標は,認知的目標の強調のみではなく,情意的目標と認知的目標の統合が指摘され,情意的目標が重視されるようになった。この項から,数学教育における情意面の研究,特に数学に対する態度の研究がはじまるのである。伊藤もその頃から数学に対する態度の研究を開始し,現在まで至っている。
 現在までの伊藤の数学教育における情意面の研究の足跡をふりかえることによって本研究の目的が明白になる。伊藤の研究は大きく次の二期に分けられる。