チューリップ属(Tulipa)はユリ科に属し,約50種を含む大きな属であつて中,南欧より本邦に亘り分布し,中央アジアに特に多い。日本産は2種であるが観賞用として栽培晶種は非常に多い。
Guignard(1900)は最初Tulipa属数種の染色体数を,n=12なることを報告しついで,De Mol(1925,1926,1927)は2n=24,36,48などを報告した。更にNewton(1926)は 2n=24,36,48,60などを報告した。Newton&Darlington(1929)は同じく,Tulipa属の数種について,2n=36,60なることを報告している。尚,その他の木々が少しく染色体について報告している。
しかし以上の報告は主に染色体数についてであつて,詳紬な核型分析はこの属においては未だ行われていない。この報告はTulipa Gesneriana L. に属する5品種の核型分析の結果である。