グレアム・グリーンの「娯楽物」

島根農科大学研究報告 Volume 13 Page (B)24-33 published_at 1965-01-10
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File
d0020013n031.pdf 1.38 MB エンバーゴ : 2002-07-01
Title
グレアム・グリーンの「娯楽物」
Title
G. Greene's 'Entertainments'
Title Transcription
グレアム グリーン ノ ゴラクモノ
Creator
Yano Michio
Source Title
島根農科大学研究報告
Volume 13
Start Page (B)24
End Page 33
Journal Identifire
ISSN 05598311
Descriptions
 G.Greene(1904一  )の小説にはNovel(本格小説,以下Nと略す)の外にEntertamment(娯楽物,以下Eと略す)と銘打たれた作品があることは周知の通りである。従来この区別はさほど重要ではない,何故なら彼のNの中にも娯楽的要素が充分含まれているし,その反面Eも決して調子を落したものでなく,彼の世界観,人生観が織りこまれているからだ,というのが日本では定説のようになっている。これは一般読者の側からいえば一応うなずける意見である。作者がその作品に何と名付けようとも,作品そのものが面白ければ満足できるからである。否,グリーンの場合には逆に彼のEこそ彼の小説の真髄をなす作品だと主張する者がファンの中にはあるであろう。しかしながら少し詳しく彼の作品を検討して見ようとするならば,当然「一体何故グリーンはEとNを区別したか」,「その区別はどこにおかれているか」,「そもそも彼は何故Eを書くであろうか」といった問題が浮び上って来る。本稿はこうした問題を中心として若干の考察を試みようとするものである。それは同時にクリーン文学の本質に触れることにもなるであろう。
Language
jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publisher
島根農科大学
The Shimane Agricultural College
Date of Issued 1965-01-10
Access Rights open access
Relation
[NCID] AN00108241
Remark A,Bを含む